こんにちは!これからのお葬式と自然葬・永代供養に関する情報サイト管理人の山猫です。(@yamaneko_solar)
今回の話題は、直葬(ちょくそう・じきそう)
直葬と言うのは、お通夜も葬儀・告別式も行わない
火葬場で故人を見送るだけの葬儀形態の事だよ。
最近までは、一般葬(逝去→通夜→葬儀・告別式→火葬)を行うのが当たり前だったわけですが、最近は・・・
- 通夜を行わない 一日葬
- 通夜・葬儀・告別式を行わない 直葬
の割合がどんどん増えているのです。
でも・・・お葬式って、お通夜とか葬儀をやらなくてもいいの?
そのあたりも含めて、現代のお葬式事情を解説するね!!
直葬を選んでいる方の割合はどのくらい?
そんなたくさんの人が直葬を選んでいるのかな?
少し古いデータになりますが、2012年12月に「鎌倉新書」が全国の葬儀業者に対し調査を行った結果、関東地方での直葬の割合は22.3% なんと4件に1件は直葬という結果に。。
比較的一般葬が多いとされる近畿地方でも、9.1%が直葬だったそうだ。
ただ、ちょっとデータが古いね。。
あと、田舎を含めたらどうなんだろう?
実は、直葬の割合は、圧倒的に都市部が多くて、田舎では少ない傾向があります。
こちらは、※公正取引委員会の葬儀業者アンケート調査(直近5事業年度)
「葬儀の取引に関する実態調査報告書 H29.3.22」より引用したデータ・・・
葬儀の形態別割合 | 葬儀形態による増加率 | |
一般葬 | 63.00% | 5.40% |
家族葬 | 28.40% | 51.10% |
直 葬 | 5.50% | 26.20% |
一日葬 | 2.80% | 17.10% |
社 葬 | 0.30% | 0.30% |
このデータで見ると、直葬を選んでいる方は全体の5.5%という事がわかるね。
もう一つ注目点は、各葬儀スタイルの増加率。一般葬は、+5.4%なのに対し、直葬は+26.2%と直葬の件数が一般葬よりも伸びている事がわかります。
結構多いんだね。。。
どうして直葬を選ぶ人が増えているんだろう?
なぜ直葬を選ぶ人が増えているのか?
直葬は、逝去後 通夜も葬儀・告別式もやらず、直接「火葬」するという葬儀の形。火葬前に読経がある場合と、そもそもお坊さんを呼ばないタイプがあります。
なぜ、直葬が増えているかを考える場合、
そもそも、お通夜や葬儀・告別式は誰のために行うのか?を考える必要があります。
お通夜や葬儀・告別式はだれのために行う?
もちろん亡くなった人のためだよね。
もちろん、故人のためでもあるんだけど、
残された人のためでもあるのだ。
そもそも、お通夜と言うのは、家族や故人に近しい人が、夜通し死者を守るために行っていた儀式だったのですが、時代の変化と共に大きく姿を変えてしまいました。
最近は、葬儀に参列できない人が、葬儀の代わりに故人にお別れをする儀式になっているよね。。
お通夜の役割も変わってきているんだね。
そうだね。今は故人へのお別れの儀式の一つという考えが主流になりつつあるんじゃないかな。
実は、葬儀・告別式についても同じように考える事が出来るのです。つまり、ご逝去→火葬までの儀式が誰の為に行われるかと言うと・・・
- 故人
- 家族・近しい親類
- 親類・故人の友人・知人
の3つに分かれるのです。
葬儀をどのような形にするかは、(2)(3)の人数が大きく関係していると思うのだ。
直葬を選ぶ人はどんな人?
書物やネットなどには、直葬を選ぶ理由がいろいろと書かれていますが、
山猫が考える、一番大きな理由が、「葬儀を上げる人がどんどん高齢化している」からではないかと思います。
高齢化と直葬が関係するの?
直葬だけではなくて、一日葬や家族葬が増える要因でもあるのだけどね。。
高齢になってから亡くなると、前の項で説明した参加者の内(3)が圧倒的に減るのだ。
高齢になると、交友関係は徐々に狭まってきますし、働いていた時代の知り合いもどんどん少なくなっていきます。つまり、参列者の数があまり多くないという事が予想されるわけです。
そっか。。ここで、葬儀は誰の為って事が議題になるんだね。
直葬は、お別れの時間が少ないわけではありません。
勘違いしている人が多いけれど、「直葬」は病院から火葬場に直接ご遺体を運んで火葬するというわけではありません。
日本の法律では、亡くなったあと24時間は火葬が出来ないので、ご遺体は、家か葬儀社の安置所に移動します。葬儀社の安置所は、ご遺族が入れない場合もあるのですが、自宅に安置した場合は、出棺までずっと一緒にいる事が出来るのです。
家族や、近しい人にとっては、ゆっくりと最後の夜をすごせるという考え方もあるのだよ。
つまり、予想される参列者の数が少なくて、家族だけで静かに見送りたいと考えるひとが増えているため、結果として直葬が選ばれていると考える事も出来るのです。
高齢でなくなる方が増えているので、直葬が選ばれる割合が増えているって事か。。
↑で上げた理由以外にも、経済的な理由や、お寺さんとの関係が希薄になっている等も、直葬が増えている事の理由になっているのでは?と考えています。
大事なのは、故人をお見送りするという気持ちと、残された人の気持ちの整理
残された人にとっては、ご逝去→火葬(もちろんそのあともずっと続くわけですが)の一連の儀式は、故人が旅立っていくという事を少しずつ理解する時間であると思います。
私も経験があるけれど、少しずつ遠くに離れていくのを受け止める時間という感じだった。
大切な人を亡くした時、残された人は、大きな悲嘆(グリーフ)が残りますよね。
お通夜や葬儀、その後の法要は、故人の供養のためという目的の他に、残された人へのグリーフケアの役割があるのです。
このブログを書いている山猫は、直葬が良いとか、一般葬が良いとかという感情はありません。(ただ個人的には・・・あんまり派手な葬儀は苦手。花輪の数で優劣を決めるような葬儀にはしてほしくないですね。。)
大事なのは、故人を見送るという気持ちと、遺族など残された人の「心を整理ができるか」という点だと思います。
だから、形ではなく、「この方法が家族や親類にとって一番良い!」という方法で見送ってあげられればそれが一番の答えなのかな。と思いますね。
こうしなければならない!ではなくて・・・いろいろな形が選べるというのは良い事だよね。
まとめ
いろいろ調べていくと、今「一般葬」と呼ばれている、
お通夜→お葬儀・告別式→火葬 という流れは、そんなに昔から行われていたわけではない事がわかりました。
逆に言えば、常に葬儀のスタイルは変わってきたわけです。
「一般葬」と違うからおかしい!そんなの認めない!という意見が出てくるのは分かるけれど、その「一般葬」もずっと昔から同じように続いていたわけではないのです。
多分時代の流れと共に、葬儀も変わり続ける。その中の一つに直葬があったり、一日葬があったり家族葬があったりするのでしょう。
お通夜やお葬儀はやらなくて良い!というお話ではなく、大切なのは、儀式の形ではなく、故人を見送るという気持ちと、遺族や故人と関係があった方の心を整理ができるかという点だと思います。
ご遺族や親類の方が納得して送り出せる葬儀の方式が選べたらそれで良いのではと山猫は考えます。
以上最後までお読みいただきありがとうございました。
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