こんにちは!これからのお葬式と自然葬・永代供養に関する情報サイト管理人の山猫です。(@yamaneko_solar)
今回ご紹介するのは・・・大阪の(株)霊園・墓石のヤシロ代表取締役 八城 勝彦さんの著書 「墓じまいのススメ ~これが親の子孝行~」です。
会社の名前の通り、ヤシロさんは、もともと墓石屋さん。つまりお墓を作る側の方です。一方、この本の題名は「墓じまい」つまり、墓の引っ越しや永代供養などを進めるお話。。一見相反するテーマをどのように本にまとめたのか興味があったので読んでみました。
本の内容紹介
序章は現代の日本のお墓事情・・・私の周りでも、先祖代々のお墓を維持できなくて、「墓じまいをした!」という話がポツポツ出てきています。
私の親戚も、子どもがいないため、もうお墓を守ってくれる人がいないという事で、墓じまいを行い、永代供養墓に・・・という事があったので、実感としてお墓を守っていくという事が今後難しくなっていくのだろうなと感じていました。
そもそも、私は自分のお墓を持っていないし、子どもも女の子だけ。。これではお墓を作る事は出来ないなあ
第一章からは「墓じまい」のお話。
ちょっと注意しておかなくてはいけないのが、「墓じまい」という用語の使い方。いままで読んできた本では・・・
「墓じまい」=「改葬」(お墓の引っ越し)
と定義している物がほとんど。
何が違うのかな?
この本の著者の八城さんは「改葬」を3種類にわけて定義しています。
- 建て替え(例:田舎の古いお墓を処分→新しいお墓を作って引っ越し)
- 引っ越し(文字通りお墓の移動。例:田舎のお墓を分解移動→引っ越し先で再組立て)
- 墓じまい(古いお墓を解体する所までは1~2と同じ。その後永代供養へ。。)
本によっては、1~2も墓じまいと呼んでいるので、そのつもりで読んでいると「?」マークが点灯するかもしれません。
この本を読むと・・・「未来世代に迷惑をかけないか?」という事が現代の高齢者の関心事になっているかがわかります。
↑で挙げた改葬の1~2は、お墓の引っ越しなので、子孫にとってお墓参りに便利な場所にお墓を移動するという点では、有効な手段なのですが、それでも墓守を子孫にゆだねることには代わりありません。
親の子孝行を考えるのであれば、墓を守るというプレッシャーから完全に開放してあげる方が良いのでは?というのが著者の考え方。
葬送関係者や寺院からは怒られそうな考え方だけど、
この本に書いてあることは、とっても現実的でなるほどなと思ったよ。
そもそも、少子化+長寿命化で、先祖代々の墓を守る事は年々難しくなっているのです。
だから、いままでみんなやってきたのに、それを引き継がないのはケシカランと言う意見は、現在の日本の状況を把握できていないとも言えるのです。
正直に言うとね、、この本の著者が運営している霊園の永代供養に関する考え方。すっごくいいなと思ったよ。
自分の住んでいる地域に同じような考えの霊園があったら、予約したいぐらい理想的な場所だったな。
この本の良い所は、本来、新しいお墓を売りたいと思っている石材店の社長が書いているという点。ポジショントークをしている人が多い葬送関連の本の中では、自分のポジションと真逆の発言をしている著者の意見は貴重です。
書籍情報
【書籍名】墓じまいのススメ ~これが親の子孝行~
【著者名】八城 勝彦
【出版社】廣済堂出版
【出版日】(2014/12/5)
【頁 数】207頁
【ISBN】978-4-331-51888-5
【おすすめ度】★★★★★
以上最後までお読みいただきありがとうございました!
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